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正規表現の基本:初心者でもわかる!簡単な例で学ぶパターンマッチング

正規表現の基本:初心者でもわかる!簡単な例で学ぶパターンマッチング JavaScript
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正規表現(Regular Expression)は、文字列のパターンを簡潔に表現する方法の一つです。

プログラミングやテキスト処理において、特定の文字列を検索、置換、検証する作業を効率的に行えます。

本記事では、この正規表現の基本概念から実践例までを詳しくご紹介します。

正規表現とは?

正規表現は「特定のパターンにマッチする文字列」を表現するための特殊な記法です。

たとえば、「aで始まる文字列」を検索したい場合、正規表現では ^a のように簡単に表すことができます。

この表現を利用することで、「こういう形の文字列を検索したい!操作したい!」という要望を実現することができます。

1. 正規表現の基本要素

正規表現は以下の2つの要素から構成されます。

1. 通常の文字

通常のアルファベットや数字は、そのまま特定の文字にマッチします。

例:cat は、文字列 “cat” にマッチします。

2. メタ文字(特殊文字)

メタ文字は、特定のルールに基づいたパターンを定義するために使います。

主なメタ文字は以下の通りです。

メタ文字意味
.任意の1文字にマッチc.t は “cat” や “cut” にマッチ
*直前の文字が0回以上繰り返されるa* は “”, “a”, “aaa” にマッチ
+直前の文字が1回以上繰り返されるa+ は “a”, “aaa” にマッチ
?直前の文字が0回または1回現れるa? は “”, “a” にマッチ
^文字列の先頭にマッチ^a は “apple” にマッチ
$文字列の末尾にマッチz$ は “quiz” にマッチ
[ ]指定した文字のいずれかにマッチ[abc] は “a”, “b”, “c” にマッチ
\d任意の数字(0-9)にマッチ\d+ は “123”, “5” にマッチ
\s任意の空白文字(スペース、タブなど)にマッチ\s+ は ” “, “\t” にマッチ
\w任意の英数字とアンダースコアにマッチ\w+ は”hello123″ や “word_” にマッチ
{n}直前の文字がちょうど n 回繰り返されるa{3} は “aaa” にマッチ
{n,}直前の文字が少なくとも n 回繰り返されるa{2,} は “aa”, “aaa” にマッチ
{n,m}直前の文字が n 回以上 m 回以下繰り返されるa{2,4} は “aa”, “aaa”, “aaaa” にマッチ

2. 基本的な正規表現の例

1. 特定の範囲にマッチする([ ])

[a-z]

角括弧 [ ] は、指定した文字のいずれかにマッチします。

この例では、a-zを指定しているため、小文字のアルファベットが指定の範囲となります。

そのため、“g”は一致しますが、“G”は不一致(小文字の指定範囲外のため)となります。

2. 繰り返しにマッチする(* や +)

ca*t

*は直前の文字が0回以上繰り返される場合に一致します。

この例では、“ct”、”cat”、”caaaaat”の文字列全てに一致します

ca+t

+は直前の文字が1回以上繰り返される場合に一致します。

この例では、“cat”、”caaaaat”は一致しますが、“ct” は不一致(”a”の1回以上の繰り返しが必要なため)となります。

3. 空白を検出する(\s)

hello\sworld

\s は、スペースやタブなどの空白文字にマッチします。

この例では、“hello world”は一致しますが、“helloworld”は不一致(空白がないため)となります。

4. 文字列の先頭・末尾にマッチする(^ と $)

^hello

^は文字列の先頭にマッチします。

この例では、“hello world”は一致しますが、“world hello”は不一致(先頭が “hello” でないため)となります。

world$

$は文字列の末尾にマッチします。

この例では、“hello world”は一致しますが、“world hello”は不一致(末尾が “world” でないため)となります。

実践例:正規表現を使った具体的なケース

ここでは、実際に正規表現を使った具体的な例を取り上げ、その動作を詳しく解説します。

1. メールアドレスの検証

以下の正規表現は、一般的なメールアドレス形式を検証する際に使うことができます。

^[a-zA-Z0-9._%+-]+@[a-zA-Z0-9.-]+\.[a-zA-Z]{2,}$

解説

1. ^$

  • ^ は文字列の先頭を表します。
    これによって、メールアドレスが文字列の最初から始まる場合は一致します。

    ^が付いていることで、例えば、文字列 “My email is user@example.com”は不一致となりますが、user@example.com は一致することになります
  • $ は文字列の末尾を表します。これにより、メールアドレスが文字列の最後で終わることを要求します。


2. [a-zA-Z0-9._%+-]+

この部分は、@の左側に書かれる「ユーザー名(アカウント名)(例:user@example.comのuser部分)」にマッチします。

  • [ ] 内は許容する文字の集合です。
    ここでは、アルファベット(大文字・小文字)、数字、ピリオド(.)、アンダースコア(_)、パーセント(%)、プラス(+)、ハイフン(-)が許可されています。
  • 最後の+ は「直前の文字(または集合)が1回以上繰り返される」という意味です。


3. @

@ はそのままの文字にマッチします。


4. [a-zA-Z0-9.-]+

この部分は「ドメイン名の一部(例:user@example.comのexample部分)」を表します。

アルファベット、数字、ピリオド、ハイフンを含む文字列にマッチします。


5. \.[a-zA-Z]{2,}

この部分は「トップレベルドメイン(例:user@example.comの.com部分)」を表します。

  • \. はピリオドにマッチします(\ を使ってエスケープしています)。
    エスケープについて詳しく知りたい場合は、こちらをご覧ください。
  • [a-zA-Z]{2,} は、アルファベットが2文字以上続く部分にマッチします。

【具体例】

入力文字列結果説明
user@example.com一致ローカル部とドメイン部分が正規表現に一致します。
user.name123@example.co.jp一致サブドメインを含むドメイン名も正規表現に一致します。
user@example不一致ドット(.)の後に2文字以上のアルファベットがないため、
無効な形式です。
My email is user@example.com不一致メールアドレス以外の文字が含まれているため、
正規表現と一致しません。

2. 電話番号形式の検索

以下の正規表現は、日本の一般的な電話番号を検索する際に使うことができます。

\d{2,4}-\d{2,4}-\d{4}

解説

1. \d{2,4}

この部分は市外局番や市内番号(例:03、045、1234)を表します。

  • \d は数字(0~9)にマッチします。
  • {2,4} は「直前のパターンが2回以上4回以下繰り返される」という意味です。
    この場合は、「数字(0~9)が2回以上4回以下繰り返される」ということになります。


2. -

- はハイフンそのものにマッチします。電話番号の区切り部分です。


3. \d{2,4}

この部分は、市内局番(例:5678、12)に該当します。

「数字(0~9)が2回以上4回以下繰り返される」文字列にマッチします。


4. \d{4}

この部分は、加入者番号を表します。

最後の4桁の数字(例:7890)にマッチします。

【具体例】

入力文字列結果説明
03-1234-5678一致正規表現に一致します。
0123-45-6789一致正規表現に一致します。
123-12345-678不一致桁数が規定外のため、無効な形式です。

3. URLの検出

以下の正規表現は、URL形式を検出するために使うことができます。

https?://[\w\-\.]+\.\w+

解説

1. https?

s? は “s” があってもなくてもよいことを示します。

したがって、”http” と “https” の両方に対応しています。


2. ://

“://” という文字列そのものにマッチします。


3. [\w\-\.]+

この部分はサブドメインやドメイン名を表します。

  • \w は「英数字(a-z、A-Z、0-9)またはアンダースコア(_)」にマッチします。
  • \- はハイフン(-)をエスケープして、そのままのハイフンにマッチします。
  • \. はピリオド(.)をエスケープして、そのままのピリオドにマッチします。
  • [ ] の中にこれらを含めることで、最後の+と合わせて「英数字(a-z、A-Z、0-9)、アンダースコア(_)、ハイフン(-)、ピリオド(.)」のいずれかが1回以上繰り返される文字列にマッチします。

エスケープについて詳しく知りたい場合は、こちらをご覧ください。


4. .\w+

この部分はトップレベルドメイン(例:.com、.net)を表します。

アルファベット、数字、ピリオド、ハイフンを含む文字列にマッチします。

  • \. はピリオド(ドット)そのものにマッチします。
  • \w+ は「英数字またはアンダースコアが1文字以上続く部分」にマッチします。

【具体例】

入力文字列結果説明
http://example.com一致正規表現に一致します。
https://sub.example-site.org一致正規表現に一致します。
ftp://example.com不一致http(s) 以外は対応していないため、不一致です。

4. JavaScriptでの正規表現の使用例

正規表現は、JavaScriptをはじめとする多くのプログラミング言語で利用することができます

ここでは、プログラミング言語の一例としてJavaScriptを使った文字列操作の例を紹介します。


例として、以下のように複数の空白を1つのスペースに置換する処理を紹介します。

コード例:

const text = "This   is  an   example.";
const result = text.replace(/\s+/g, " ");
console.log(result); // "This is an example."

解説

  • \s+: 空白文字(スペース、タブ、改行など)が1回以上連続する部分にマッチ。
  • g フラグ: 文字列全体からすべての一致箇所を検索。
  • replace: マッチした部分を指定した文字列(この場合は1つのスペース)に置換。

このように、正規表現を使えば複雑な文字列処理もシンプルに実現できます。

エスケープ:正規表現で特別な文字をそのまま扱う方法

正規表現では、通常特別な意味を持つメタ文字を、そのまま「普通の文字」として扱いたい場合にエスケープが必要です。

エスケープするには、文字の前にバックスラッシュ(\)を付けます。

エスケープ対象. * + ? | { } [ ] ( ) ^ $ \ など
エスケープ方法対象文字の前にバックスラッシュ(\)を付ける

エスケープが必要な主なケースとして、以下の3つがあります。

  1. ピリオドやアスタリスクなどのメタ文字をそのまま使いたい場合
    • .(任意の1文字)を「ピリオド」として扱いたい場合、\. と記述します。
    • 正規表現のfile\.txt"file.txt" にマッチします。
  2. 正規表現エンジンが特別な解釈をしないようにしたい場合
    • \(バックスラッシュ)自体を文字として扱う場合、\\ と記述します。
    • 正規表現のC:\\path\\to\\file"C:\path\to\file" にマッチします。
  3. 括弧や中括弧などのグループ指定文字をそのまま使いたい場合
    • ((グループ開始)を「丸括弧」として扱いたい場合、\( と記述します。
    • 正規表現の\("(" にマッチします。

エスケープの使い方を正しく理解することで、正規表現を正確に機能させることができるようになります!

まとめ

正規表現は、文字列操作を劇的に効率化する強力なツールです。

本記事で紹介した正規表現の基本概念や実践例を活用することで、より生産的なデータ処理を実現できます。

ぜひ、ご自身の開発でも正規表現を活用して、データ処理の効率化を目指してください!

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